|
評価:
湊 かなえ
双葉社
コメント:内容は面白い、だけど人には薦められない
Amazonランキング:
430位
Amazonおすすめ度:
痛い
良かったです!
怖い本だ
|
このクラスの生徒に殺されたのです
しょうじきいいます。けっこう面白かったです。
表題から思いもよらず、え、これからどうなるの!?っていう好奇心がたまらない。
でもこの本ほど読後感が悪い小説を私は読んだことないです。
救いがない小説なんてたくさんある。
だけれどこの本は
話の運び方がうまい上、文章も頭に残りやすい。つまりすごっくうまいんです。その分「あ゛〜〜!」っておもいます。
この本ほど人に薦めにくい本はないなーって思いました。
帯に書店員さんがこの本を読んだ感想があるのですが、正直私が抱いた感想そのままの方がいらっしゃったのにびっくりしました。
アマゾンや本屋のあらすじ以上のネタばれをしないようにしますと、この本は主に4つの視点で語らえます。
そしておのおのが自分に起こったことを告白するという内容なのですが、ぶっちゃけこの本に前任はいません。ですが偽善者はいます。本来の意味での偽善者が。
誰でも誰にも明かせないドロドロとしたものを持ってると思いますが、それは本人すら意識しないと見つからないようなところにあります。
印象的だったのが、”倫理観”のあり方。倫理についてきちんと考えたことがなかったのですが、この本を読んで「倫理とは何なんだろう」と考えます。
この本に出てくる人たちは”人間しかもてないドロドロ”を持ち合わせてる人間です。
誰だって利己的に生きているんだと、訴えかけるような感じです。そして聖人と呼ばれるものはいない。
特に一章は教員の女性視点で語られるのですが、この人の存在感というか説得力が半端なかった。
そこで持ち出されるのは”倫理”という言葉。
でもその次の章で彼女の語った”倫理”が彼女自身にはあるのかと問いかけられます。
告白が重なるにつれて見えてくる登場人物のココロの闇ともいえないおぞましい想い。
なんともすっごい小説でした。